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立春大吉

本年大般若を勤めためた一月二十六日は永平寺を開かれた道元禅師さまの誕生日です。そのご縁を大切に「立春大吉」についてご説明させていただきます。

道元禅師さまが「十五大吉文」と言う文章を残されています。これは、「南無仏法僧宝大吉、立春大吉、一家祖師祖宗大吉、仏法弘通大吉、大吉、祖道光揚大吉、寺門繁昌大吉、門子多集、得人逢時 天下帰崇吾道、大吉大吉大吉立春大吉 大吉開山永平大吉 道玄 寛元五丁未 立春大吉 大吉」と十五もの「大吉」が出てくるとてもおめでたい文章です。この十五大吉文を唱えてご祈祷させていただいたのが「立春大吉」のお札さまです。「立春」は寒い冬を過ごしていると待ち焦がれる響きですが、旧来は春の来る喜びと農耕の季節がめぐってくる喜びで、今の私たちには想像も出来ないほど芽出たい日であり、豊年満作、五穀豊穣への願いが込められていました。現代に置き換えると、春を迎え新たなる再生への期待と祈願のお札さまです。

 次に「鎮防燭」のご説明です。二十四節気の一つに「清明」があります。この日は春先の清らで生き生きとした様子を言い、草木に花が咲き、万物に清明の気があふれてくる日です。又、このころから風が吹くようになり、火をあぶって危険であるので、この日に新火をおこして火難が起こらない様に念じました。中国では清明は墓参の日になっていますが、曹洞宗では山内の火種を新しいものに変え、火災が起こらないようご祈祷しました。これは總持寺を開かれた瑩山禅師さまがお決めになられたものです。

 この「立春大吉 鎮防燭」のお札さまは道元禅師さま瑩山禅師さまのお教えであるので、曹洞宗のお寺だけのものです。本覚寺山門にも向かって右側に「立春大吉」左側に「鎮防燭」のお札が掲げてあり、無病息災と火防の一助となればと願っているのです。

                                           (本覚寺寺報 第9号より)